他の方のブログでも取り上げられることがありますが、自分の考えも少し書いてみようと思います。
自転車レーンについては、国の方も動き出しているようですが、そもそも自転車乗りにとってどういうものが望ましいのか、共通認識みたいなものができていないような気がします。
いざ出来てみたら使いづらいものだった、というような結果は避けたいところ。
一つの意見として、自動車や歩行者と隔離された空間がよいという意見があるようですが、いろいろと問題があるように思います。
確かに、他の影響(路上駐車とか)を受けずに走ることができるのは良さそうですが・・・。
隔離の方法はいくつかあるでしょうが、道路ということを考えると、簡易にブロックを並べるというような方法ではなく、しっかりと固定しなければならないでしょうから、当然お金もそれなりにかかるはずですし、そもそもそういう方法がとれるかどうか。
仮に隔離する方法がとれるとしても、さまざまな問題がありそうです。
例えば、維持補修や路面清掃。
アスファルトは時間がたつと痛みますが、要は、どれくらいの頻度、丁寧さで補修してくれるかが重要です。今の多くの歩道のようになってしまったらスポーツバイクには走りづらいでしょうし、車道並みの舗装を求めるのは無理っぽい。
路面清掃にしても、隔離されたレーンは、ごみや砂がたまりやすそうです。それを誰が清掃するか。車道であれば定期的に清掃車が走っていますが、隔離されたレーンでは清掃車も入れませんし、日常的なごみ拾いにしたって地域の人のボランティアに期待するのは虫が良すぎる気がします。
これに、寒冷地の場合は積雪の問題もあって、隔離されたレーンは、冬期間は格好の雪捨て場になるでしょう。除雪車も入らず、春になるとレーンだけがなかなか雪解けが遅いという状態になりそうです。
要は、隔離されたレーンは維持管理に人手・手間がかかりそうだということです。
個人的には、雇用の場の確保になってよいのではないかとも思うのですが、今のご時世では何でもかんでも人とお金を投入するのは認められないでしょうし、それに、自転車乗りは特に税金を収めているわけではないので、受益者負担の原則で見ることが難しいという側面もある気がします。
さらに、隔離された自転車レーンが歩道と車道の間にあったとして、運送関係の人にとっては荷さばきが面倒になるでしょうし、あるいは、バス、タクシーに乗る人はどうすればいいのでしょうか。レーンを頻繁に人が横切るようでは、危険ですし、自転車も安心して走れません。
地域によっては、ごみ収集の問題もあるでしょう。
本州の方では、地域単位で「ごみステーション」にごみを出して、そこにごみ収集車が来て、まとめて持っていく方式のところが多いかもしれませんが、私が住んでいる地域では、それぞれの家の前にごみを出して、収集車がゆっくり走りながら、作業員がごみを拾いながら進んでいく方式になっているので、車道と歩道の間に「余計なもの」ができることは作業効率の悪化につながるでしょう。
このように、道路は車や自転車や人がただまっすぐ進むところではない、という当然のことが分かります。
極めつけはマナーの問題。
隔離された自転車レーンを作ったら、並進とか逆走する人は出てくるんじゃないですかね。隔離されているので避けることも難しくなりそうです。
車道ではないので、安心して、犬の散歩をしたり、歩行者が普通に歩いたり、といったことも起きかねないのでは?
自転車レーンは自転車のみ、ということをゼロから周知するのはなかなか大変な気がします。
ところで、現行では、行者が車道を歩くことはまずなくて、歩行者と車両の区分けはきちんとできています。そこに自転車のスペースをどのように確保するかがポイントなわけですが、上に書いたようなことから、隔離された空間というのは本当にデメリットの方が多くて、結論としては、車道と同じ空間を少し分けてもらう、つまりは広めの路側帯が最も現実的だと思います。
現状との関係からすると、低速(自転)車は歩道中心、スポーツバイクは車道上のレーン中心ということにならざるを得ないんじゃないですかね。
確かに、路上駐車があったらどうするかとか問題はあるでしょうが、そこらへんは我慢しなければいけないと思います。
実を言うと、私自身、もし、隔離された自転車レーンができたら、日本もそういう方向にチェンジしたんだなと実感できるだろうと思います。実際には難しいでしょうけど、しかしながら、街の中に一部シンボル的にあってもよい気はしています。
例えばこの写真。

右側に片側2車線の道路があって、その両脇に1車線、しかも、かなり余裕のある車線があります。交通量はかなり少ないです。
こういうところを自転車優先レーンにでもしたらどうかと思うのですが。